
マクロン氏の経歴
マクロン氏は、史上最年少の39歳でフランス次期大統領となり、話題となっていますね。
マクロン氏は、無所属で立候補したということですが、いきなりフランス政治に関わることなく立候補したわけではないです。
しっかりと今までにもフランス政治に重要な立ち位置で関わりがありました。
エマニュエル・マクロン氏は、1977年12月21日フランス北部のアミアンで生まれました。
父は神経学者であり、母はお医者さんということで裕福な家庭で育ち、とても頭が良かったんですね。
高校はパリの名門アンリ4世高校を卒業しており、大学もパリ第10大学で学位を取得しています。
ちなみにパリ第10大学の卒業生には、元フランス大統領のニコラ・サルコジやパリ市長のアンヌ・イダルゴも卒業しており、政治家を多く輩出している名門校です。
2004年からフランス財務省財政監査総局の財政監察官として働いていました。
2008年からは投資銀行に入社して2010年には副社長格にまで昇進するほどの優秀な方でした。
なんとその時の年収は200万ユーロ(約2億4千万円)ほどだったといいます。
やはり投資銀行員は、桁違いの年収ですね。
優秀でないとそれほどまでの年収を貰えないのですが、投資銀行で約2年で副社長格まで出世するということはとんでもない成績を出したに違いありません。
それだけ稼いでいたマクロン氏は、2012年から大統領府副事務総長としてフランス大統領フランソワ・オランドの側近を務めるようになり政治へ再度介入しました。
2014年にはなんと経済相に就任!!
経済相として「マクロン法」と呼ばれている大規模な構造改革を進める法律を可決させて、「商業施設の日曜や夜間営業の拡大や長距離バス路線の自由化」などを実現しました。
投資銀行として経済に関してはスペシャリストであるため、フランス国内の悪化した経済を立て直すという強い目標があったのですね。
このように華やかしい経歴の持ち主なのでフランス国民の期待が集まりフランス次期大統領として選挙に勝ちました。
では、なぜフランス国民は、マクロン氏にそれだけ投票したのかをフランスの経済状況をお伝えしながらご説明致します。
フランスの経済状況とは
私は、上海の留学時代の友人でフランス人の友達が3人います。
そのフランス人から色々と生の声を聞いていたので皆さんにお伝えします。
上海の大学にはフランス人が数多く留学しに来ていました。
フランス人以外にもヨーロッパ人はそれなりにいましたが、フランス人が特に多かったです。
その理由としてですが、普通に大学を卒業しても職がないからです。
フランスの若年失業率が約30%ぐらいと言われていますが、そのフランス人から聞くと約50%以上が職を見つけることができません。
そのため、中国語をマスターしてなんとか中国系の企業や中国語を必要としている企業に就職しようと考えているんです。
フランスには中国の企業の進出がめまぐるしく、それだけフランス人には馴染みがあるんですね。
実際に留学先には、両親が中国人ですがフランス生まれフランス育ちの中国人という子もいました。
つまり普通に大学を卒業してもまともな職につけないという状況なんです。
その理由としては、やはり経済状況が悪いんですね。
経済が悪くて若者が就職ができないとなると国民の不満はたまっていきますよね?
やはり国の将来は若い人たちにかかっているのでいち早く経済状況を良くして就職できる状況に変えてほしいと思うことが当たり前だと思います。
フランスだけでなくて、ヨーロッパ国々に言えるのですが、働くことに関しては日本と全く違っていますね。
あくまで働くというのはお金を稼ぐことであり、一番は家族と過ごすことが大事という考え方です。
そのため、夏休みは1ヶ月以上ありますし、なんせ仕事が遅いです・・・。
私は商社で働いしていた時にフランス企業(サプライヤー)から仕入れを行っていました。
その時のフランス人の働き方はとにかく遅いです。
例えば、クライアントからクレームがあった際に、サプライヤーに原因調査の依頼をするのですが返答があるのが遅すぎてクライアントから何度怒られたか。。。
まぁ世界から見ると日本人が異常らしいのですが、日本人とビジネスするのであればそこは合わして欲しいと思いますね。
そのため、世界の国々は現在何かとうるさい日本よりも中国にシフトしているのが現状ですが。
日本人は、1億2千万人いるので世界的にみたらまだ市場は大きいです。
しかし、かなり要求が高いので飽きられつつありますからそこを意識して取引しないとサプライヤーも離れていく可能性もあります。
話はそれましたが、フランス人は観光ビジネスが盛んでなんとか持っている状況です。
世界的な大企業もありますが、他の産業に関しては弱いため若者の就職先がないのと、他の産業が伸びないのもフランス人の働き方が影響しているのでしょう。
日本がこれだけ経済発展したのも休みを顧みず仕事に熱中してたため、高い技術と接客力が発展して産業が伸びてきました。
フランスの経済状況を立て直すにも無理やり政策を実施するしかないんです。
その初めとしてマクロン氏は、「商業施設の日曜や夜間営業の拡大や長距離バス路線の自由化」をすることでより経済発展しようと試みています。
そこからマクロン氏は、「左派でも右派でもない政治」を目指すと宣言し、政治運動「アン・マルシェ」を結成しました。
更に経済相を辞任して、フランスの景気低迷を脱却するには、独自の解決策を打ち出せるようにするために無所属となり大統領選出馬を目指しました。
このようにマクロン氏は、今までのやり方、しがらみを影響を受けないためにも経済相を辞任して無所属になるというこの決意は素晴らしいです。
普通そんな美味しいポジションを獲得したら人間離れたくないのが事実です。
また、政党の支援が合ったほうが選挙にも有利です。
その中でマクロン氏は今後フランスで何を実施していくのでしょうか。
今後のフランスはどうなる
マクロン氏は選挙時に下記の内容を強く訴えています。
一部ですがご紹介いたします。
- 新しい成長戦略を進める
- 労働環境改善を進める
- 国の安全を強化する
- 欧州各国との協力体制
500億ユーロを環境・情報・公的サービスの近代化を実施し、最先端のテクノロジーでフランスの価値を上げる。
全ての労働者の購買力・経済力を改善すると共に若者や求職者に対する就職支援を強化することで失業率を低下させる。
テロ対策として1万人の警察と憲兵を雇用すると共に欧州の各国と協力して、境界線での警備も強化する。
近年のテロにおけるフランスの安全面強化を図り、観光ビジネスも強化する。
フランスだけで発展するのではなく、欧州各国(EU)と協力しながらEUの発展を目指す。

やはり移民を受け入れることで経済を発展させたいという思いがあるのでしょう。
「経済発展 = 人口増加」という関係性がありまして、必然的に人口が増えれば、それだけ消費も増えますし、収入も増えるということで国内のお金も増える関係があるからです。
移民の増加によって国内の仕事が移民に奪われているという考えもありますが、それだけ仕事が多く増えていけばいいだけの話です。
日本では、土木や介護といったいわゆる体力勝負の仕事につきたくないという若者が多く、人材不足の問題があります。
そのような仕事に関しては、やはり移民を受けて入れていかないといけないという声もあります。
フランスもマクロン氏の政策により仕事が増加すれば、移民の方とフランス人が融合して持ちつ持たれつの関係が作れればフランス経済復活ということもありえます。
マクロン氏は、女性と男性の賃金不平等問題にも解消していく政策を出していますので、日本と同じように全人口が労働者として働けるような社会にしていくのではないでしょうか。
マクロン氏は、経済のプロフェッショナルなので経済の観点から政策を実行していくので今後の活動が楽しみですね。
このマクロン氏の勝利によってフランスがどう変わるのか。
フランス国民は、なぜマクロン氏に投票したのかをお伝えできればと思います。
フランスの今までの経済状況を考えるとフランス国民の意思がわかってきます。